盲ろうという障害について

介護を勉強中
先生、『盲ろう』って、目が見えない人と耳が聞こえない人のことですよね?両方ともっていうのが、なんだか大変そうです。

介護の専門家
そうだね。目と耳の両方に障害がある人のことを指すよ。確かに、日常生活を送る上で多くの困難がある。例えば、コミュニケーションはどうやってとると思う?

介護を勉強中
うーん…耳が聞こえない人には手話を使うけど、目も見えないとなると…触る?

介護の専門家
その通り!点字や手話以外にも、指点字、触手話、または体に触れて伝える方法など、様々なコミュニケーション方法があるんだよ。相手の状況に合わせて工夫が必要だね。
盲ろうとは。
目と耳、両方に障がいのある方を指す『盲ろう』という介護の言葉について説明します。この状態は、視覚と聴覚の二重障がいとも呼ばれています。
盲ろうとは

盲ろうとは、視覚と聴覚の両方に障害がある状態のことです。目で見て耳で聞くという、私たちが普段何気なく行っている情報収集や意思伝達が、盲ろうの方にとっては大きな困難を伴います。視覚障害と聴覚障害、それぞれの困難さが合わさるだけでなく、互いに影響し合うことで、より複雑な困難さが生じるのです。
例えば、耳が聞こえないため音声での情報伝達が難しいだけでなく、目が見えないため文字や絵といった視覚情報も得ることができません。そのため、点字や触手話といった独自のコミュニケーション方法が必要となります。また、目が見えず耳も聞こえないため、周囲の状況を把握することが非常に難しく、安全に移動したり、危険を察知したりすることが困難です。例えば、近づいてくる車の音や信号の色が分からず、一人で外出することが難しい場合もあります。
日常生活においても、様々な場面で介助や支援が必要になります。食事や着替え、入浴といった基本的な動作も、周囲の状況が把握しづらいことで困難が生じることがあります。また、趣味や社会参加といった活動においても、情報へのアクセスやコミュニケーションの難しさから、制限が生じる可能性があります。
盲ろうの方は、視覚と聴覚以外の感覚、例えば触覚や嗅覚、振動などを活用して情報を取得しています。介助者は、これらの感覚を刺激するような情報提供を心がけ、本人の状況や好みに合わせたコミュニケーション方法を工夫する必要があります。また、社会全体で盲ろうという障害への理解を深め、周囲の人々が適切なサポートを提供できる環境づくりが重要です。盲ろうの方々が、社会の一員として安心して暮らせるよう、私たち一人ひとりができることを考えていく必要があるでしょう。
| 盲ろうにおける困難さ | 具体的な例 | 必要な支援 |
|---|---|---|
| 情報収集・意思伝達の困難 | 音声、文字、絵による情報伝達が難しい。周囲の状況把握が困難。 | 点字、触手話、視覚・聴覚以外の感覚を刺激する情報提供、状況把握の支援。 |
| 移動の困難 | 近づいてくる車や信号が分からず、安全な移動が困難。 | 移動介助、危険察知の支援。 |
| 日常生活動作の困難 | 食事、着替え、入浴など、周囲の状況把握の困難から基本動作が難しい。 | 日常生活動作の介助。 |
| 社会参加の困難 | 情報アクセス、コミュニケーションの難しさから、趣味や社会参加に制限。 | 情報提供、コミュニケーション支援、社会参加の促進。 |
原因と種類

盲ろうとは、視覚と聴覚の両方に障害がある状態を指します。この状態を引き起こす原因は実に様々で、生まれたときから持っている先天的なものと、生まれた後に何らかの要因で起こる後天的なものに大きく分けられます。
先天的な盲ろうの原因として代表的なものは、遺伝によるものです。親から子へ受け継がれる遺伝子の異常が原因で、視覚や聴覚の機能が十分に発達しないまま生まれてくる場合があります。また、お母さんが妊娠中に風疹などの感染症にかかることも、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼし、盲ろうの原因となることがあります。その他にも、妊娠中の薬の服用や、お腹の中の赤ちゃんの発達に影響を与える何らかの要因が考えられますが、まだ解明されていない部分も多く残されています。
一方、後天的な盲ろうは、事故による外傷や病気、そして年齢を重ねることで徐々に視覚や聴覚の機能が衰えていく加齢などが原因として挙げられます。例えば、交通事故で頭を強く打ったり、視神経や聴神経に影響を与える病気を患ったりすることで、後天的に視覚や聴覚の機能を失う可能性があります。また、高齢になると、誰でも視力や聴力が衰えていくものですが、その衰えが進んで重度の障害となる場合もあります。
盲ろうには様々なタイプがあります。視覚と聴覚の両方が全く機能しない場合もあれば、どちらかの機能が少し残っている場合もあります。例えば、かすかに光を感じる程度の視力や、大きな音をわずかに聞き取れる程度の聴力が残っている人もいます。また、生まれつき聴覚に障害があり、その後成長の過程で視覚の機能も失ってしまう場合や、その逆の場合もあります。これらの障害の程度や組み合わせは人それぞれ大きく異なるため、日常生活で困ることもそれぞれ違います。そのため、一人ひとりの状態に合わせた細やかな支援が必要不可欠です。もし、わずかに視力がある場合は、文字を大きく表示する拡大鏡や、文字を音声で読み上げてくれる機械などを活用することで、生活の質を向上させることができるでしょう。わずかに聴力がある場合は、音を大きくする補聴器を使う、あるいは、手話や指文字といった、目で見て理解できる伝え方を使うことで、円滑な意思疎通が可能になります。このように、原因や障害の程度に合わせた適切な支援の方法を選ぶことがとても大切です。
| 分類 | 原因 | 例 |
|---|---|---|
| 先天性 | 遺伝 | 遺伝子の異常 |
| 妊娠中の感染症 | 風疹 | |
| その他 | 妊娠中の薬の服用、発達への影響因子など | |
| 後天性 | 事故による外傷 | 交通事故による頭部外傷 |
| 病気 | 視神経・聴神経に影響する病気 | |
| 加齢 | 老化による視力・聴力の衰え |
盲ろうのタイプ
- 視覚と聴覚の両方が全く機能しない場合
- どちらかの機能が少し残っている場合
- 生まれつき聴覚に障害があり、その後視覚の機能も失う場合
- 生まれつき視覚に障害があり、その後聴覚の機能も失う場合
支援方法
- 残存視力への支援:拡大鏡、音声読み上げ
- 残存聴力への支援:補聴器、手話、指文字
コミュニケーションの方法

目の見えない聞こえない方との話し合いは、目と耳の両方に不自由があるため、特別な工夫が必要です。よく使われる方法として、触手話、指点字、物体表象などがあります。
触手話は、相手の手を触って行う手話を読み取る方法です。手の動きや指の形、手の位置などを触覚で感じ取り、伝えたいことを理解します。熟練した技術が必要ですが、細やかな表現も可能です。
指点字は、指を使って点字を打ち、文字で伝える方法です。指の腹で点字を打ち込むことで、文章や短い言葉を伝えることができます。点字を理解していることが前提となりますが、正確に情報を伝えられます。
物体表象は、実際の物を使って意味を伝える方法です。例えば、食事をしたい時は、箸やお椀を見せることで、相手に食事の希望を伝えることができます。具体的な物を使うことで、視覚や聴覚に頼らずに、相手に分かりやすく伝えることができます。
これらの方法以外にも、顔の表情や体の動き、触れ方などを組み合わせて、気持ちを伝え合うこともあります。例えば、肩を軽く叩くことで安心感を与えたり、笑顔を見せることで喜びを表現したりすることができます。
大切なのは、話し合う相手に合わせた方法で、焦らずじっくりと向き合うことです。すぐに理解してもらえなくても、繰り返し伝えることで、少しずつ意思疎通ができるようになります。また、話し合いを助ける道具を使うのも良いでしょう。例えば、点字を表示する機械や、文字を音声に変換する機械を使うことで、よりスムーズな話し合いが可能になります。
周りの人たちが、目の見えない聞こえない方の伝えたいことを理解しようと努め、積極的に話しかけることが、社会への参加を促す上でとても大切です。
| コミュニケーション方法 | 説明 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 触手話 | 相手の手を触って行う手話を読み取る方法。手の動きや指の形、手の位置などを触覚で感じ取り、伝えたいことを理解する。 | 細やかな表現が可能 | 熟練した技術が必要 |
| 指点字 | 指を使って点字を打ち、文字で伝える方法。 | 正確に情報を伝えられる | 点字を理解していることが前提 |
| 物体表象 | 実際の物を使って意味を伝える方法。 | 視覚や聴覚に頼らずに、相手に分かりやすく伝えることができる | 抽象的な概念を伝えるのが難しい場合がある |
| 表情・体の動き・触れ方 | 顔の表情や体の動き、触れ方などを組み合わせて、気持ちを伝え合う方法。 | 言葉以外の方法で気持ちを伝えられる | 誤解が生じる可能性がある |
| 補助道具 | 点字を表示する機械や、文字を音声に変換する機械など。 | よりスムーズな話し合いが可能になる | 道具が必要 |
日常生活の支援

盲ろうの方々は、視覚と聴覚の両方に障害があるため、日常生活の様々な場面で周囲の支えを必要とします。特に移動に関しては、白杖や誘導ブロックだけでは安全な移動を確保することが難しく、同行援護者やガイドヘルパーのサポートが欠かせません。慣れない場所への移動や人混みの中での移動などは、大きな不安や危険を伴うため、常に寄り添い、安全に目的地まで案内する支援が必要です。
食事、入浴、更衣といった基本的な身の回りの世話も、一人で行うことが難しい場合が多く、介助が必要になります。食事の際には、食べ物の位置や種類を伝え、安全に口に運べるようサポートします。入浴では、湯加減の確認や洗体の補助を行い、更衣では衣服の着脱を介助します。これらの介助は、単に身体的な動作を助けるだけでなく、プライバシーに配慮し、尊厳を尊重しながら行うことが大切です。
情報収集もまた、盲ろうの方々にとって大きな課題です。視覚と聴覚からの情報入手が困難なため、テレビ、ラジオ、新聞など、一般的に利用される情報源から情報を得ることができません。そのため、点字や音声による情報提供、そして通訳・介助者による情報伝達が不可欠です。通訳・介助者は、周囲の音や状況を言葉で伝えたり、会話を通訳したりすることで、盲ろうの方々が社会との繋がりを維持するための大切な役割を担います。
近年、日常生活を支援するための様々な機器やサービスも開発されています。音声案内機能付きの家電製品は、操作方法を音声で伝えることで、家電の使用を容易にします。また、触覚で情報を伝えるデバイスは、文字や図形を触覚的に認識することを可能にし、コミュニケーションや情報アクセスを支援します。これらの機器やサービスを積極的に活用することで、盲ろうの方々がより自立した、そして質の高い生活を送ることができるようになり、社会参加への道も広がります。
周りの人たちの理解と協力は、盲ろうの方々の生活の質を高める上で非常に重要です。日常生活における些細な配慮やサポートが、盲ろうの方々にとって大きな支えとなります。共に暮らしやすい社会を作るためには、まず盲ろうという障害への理解を深め、積極的に支援していく姿勢が求められます。
| 生活場面 | 課題 | 必要な支援 | 支援のポイント | 関連機器・サービス |
|---|---|---|---|---|
| 移動 | 白杖や誘導ブロックだけでは安全な移動が困難 | 同行援護者やガイドヘルパーによるサポート | 常に寄り添い、安全に目的地まで案内 | – |
| 食事 | 食べ物の位置や種類が分からず、安全に口に運ぶのが難しい | 食べ物の位置や種類を伝え、安全に口に運べるようサポート | プライバシーに配慮し、尊厳を尊重 | 音声案内機能付き家電製品 |
| 入浴 | 湯加減の確認や洗体が難しい | 湯加減の確認や洗体の補助 | プライバシーに配慮し、尊厳を尊重 | – |
| 更衣 | 衣服の着脱が難しい | 衣服の着脱の介助 | プライバシーに配慮し、尊厳を尊重 | – |
| 情報収集 | 視覚と聴覚からの情報入手が困難 | 点字や音声による情報提供、通訳・介助者による情報伝達 | 周囲の音や状況を言葉で伝え、会話を通訳 | 触覚で情報を伝えるデバイス |
社会参加の促進

視覚と聴覚の両方に障害のある方は、情報を得たり、人と話したりすることが難しいため、社会に関わる機会が少なくなりがちです。そのため、社会全体で視覚と聴覚に障害のある方への理解を深め、暮らしやすい環境を作る必要があります。
まず、公共の建物や乗り物に点字ブロックや音声案内を設けることが大切です。また、公共の場所に情報保障のための通訳や介助者を配置することも必要です。これらの設備や支援によって、視覚と聴覚に障害のある方が、情報を得たり、移動したりすることが容易になります。
さらに、視覚と聴覚に障害のある方が社会で活躍できる場を作ることも重要です。仕事の紹介や、趣味や勉強の機会を提供することで、社会とのつながりを持ち、生きがいを感じることができます。例えば、視覚と聴覚に障害のある方に適した仕事を紹介したり、趣味のサークルや学習会への参加を支援したりすることで、社会参加を促し、生活の質を高めることができます。
視覚と聴覚に障害のある方自身も、自分の障害について積極的に周囲に伝え、社会とのつながりを築いていくことが大切です。自分の困っていることや必要な支援を伝えることで、周囲の理解と協力を得やすくなります。
周りの人は、視覚と聴覚に障害のある方が社会の一員として活躍できるよう、温かく見守り、支援していくことが求められます。困っている様子があれば、積極的に声をかけて必要な支援を提供する、街で出会った時に優しく挨拶を交わすなど、小さなことから始めることができます。視覚と聴覚に障害のある方が、社会でいきいきと暮らせるような、誰もが暮らしやすい社会の実現を目指していく必要があります。
| 対象 | 課題 | 対策 |
|---|---|---|
| 視覚と聴覚に障害のある方 | 情報アクセス、コミュニケーション、社会参加の困難 |
|
| 社会全体 | 視覚と聴覚に障害のある方への理解不足、環境整備の不足 |
|
| 周囲の人 | 支援の不足、理解不足 |
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