医療 カルテのdo、その意味と注意点
医療現場では、患者さんの状態や処置の内容など、毎日たくさんの記録を取ることが必要です。限られた時間の中で、必要な情報を漏れなく、かつ効率的に記録するために、様々な省略表現や記号が使われています。その中でも、「do」は、「同じ」という意味を持つ言葉の省略形で、前の内容と同じであることを示す記号として、カルテや看護記録によく出てきます。これは、「同上」という意味を持つラテン語が語源となっています。「do」を使うことで、同じ内容を何度も書く手間を省き、記録を簡略化することができます。例えば、体温を朝と夕方に測り、どちらも36.5度だった場合、朝の体温を「36.5度」と記録した後、夕方の体温は「do」と書くだけで済むので、記録にかかる時間を短縮できます。しかし、便利な「do」ですが、使い方を間違えると、誤解を招いたり、大切な情報が伝わらなかったりする危険性があります。例えば、薬を朝、昼、晩の3回飲むように指示されている患者さんが、朝に薬を飲んだことを「服用済」と記録し、昼と夜も「do」と記録した場合、本当に昼と夜にも薬を飲んだのかどうかが分からなくなってしまいます。また、「do」を使う範囲が広すぎると、どの情報が繰り返されているのかが分かりにくくなり、混乱を招く可能性があります。そのため、「do」を使う際には、どの部分が繰り返されているのかを明確にする必要があります。体温の記録であれば、「体温36.5度」と記録した後、「do」ではなく、「体温do」と書くことで、繰り返しているのが体温の値であることがはっきりします。また、複数の項目がある場合は、「do」を使う範囲を狭くし、項目ごとに記録する方が安全です。薬の服用記録であれば、「朝の薬服用済、昼の薬服用済、夜の薬服用済」のように、それぞれの項目を分けて記録することで、誤解を防ぐことができます。医療記録は、患者さんの健康状態を正しく理解し、適切な治療を行うために欠かせない大切な情報源です。正確で分かりやすい記録を作成することは、医療に携わる者の大切な務めです。「do」を正しく使うことは、質の高い医療を提供するための第一歩と言えるでしょう。
