認知症 記銘力低下とその対応
記憶するとは、新しく経験した出来事を心に刻み込むことです。この心に刻み込む力のことを、記銘力と言います。例えば、初めて出会った人の名前を覚えたり、今日食べた昼ご飯の内容を思い出したり、新しく覚えた歌を歌ったりすることは、すべて記銘力が働いているおかげです。この記銘力は、私たちの日常生活を送る上で、なくてはならないとても大切な能力です。人と人とが円滑に言葉を交わしたり、新しいことを学んだり、安全に暮らしたりするためには、記銘力が土台として必要となります。私たちは毎日、常に新しい情報に触れています。周りの状況を理解し、これからどう行動するかを決めるためには、新しい情報を適切に受け止め、記憶にとどめておく必要があるからです。たとえば、朝、家族とどんな話をしたか、今日の予定は何か、財布にはいくら入っているか、スーパーで買うものは何か、仕事で頼まれたことは何か、帰る道順はどうだったかなど、あらゆる場面で私たちは記憶を頼りに生活しています。もし、記銘力が衰えて新しいことを覚えにくくなると、これらの記憶に関連することが難しくなり、日常生活を送る上で様々な困りごとが出てきてしまいます。約束を忘れてしまったり、大切なものをどこにしまったか分からなくなったり、新しい家電の使い方を覚えられなくなったり、買い物をスムーズに済ませることができなくなったりするなど、生活の質に大きな影響を与える可能性があります。このように、記銘力は私たちの生活を支える重要な能力の一つです。日頃から記憶力を鍛える工夫をすることで、より豊かな生活を送ることができるでしょう。
