医療 高齢者の虫垂炎:見逃さないための注意点
虫垂炎は、大腸の一部である盲腸から出ている、虫垂という細い管状の器官に炎症が起こる病気です。この虫垂は、長さが数センチメートル、太さが数ミリメートルほどで、ちょうど小指くらいの大きさです。場所は、お腹の右下あたりに位置しています。虫垂の役割については、まだはっきりとは解明されていませんが、体を守る免疫の働きに関わっているという説や、腸内細菌のバランスを整えているという説などがあります。もし虫垂が炎症を起こして切除することになっても、体に大きな影響はなく、日常生活を送る上で特に問題はありません。虫垂炎は、虫垂の入り口が何らかの原因で詰まってしまうことで起こります。その原因として最も多いのは、便が固まってできた小さな塊、いわゆる糞石です。その他にも、リンパ組織が細菌やウイルス感染によって腫れてしまう場合や、まれに食物のカスや異物が詰まる場合もあります。虫垂の入り口が詰まると、虫垂の中にいる細菌が増殖し始め、炎症を引き起こします。炎症が進むと、虫垂の中に膿がたまっていきます。そして、さらに炎症がひどくなると、虫垂が破裂してしまうこともあります。虫垂が破裂すると、虫垂の中に溜まっていた膿が腹腔内に広がり、腹膜炎という重篤な状態を引き起こす可能性があります。腹膜炎になると、激しい腹痛や高熱などの症状が現れ、命に関わる危険な状態となるため、緊急の手術が必要になります。虫垂炎の主な症状は、お腹の右下あたりに感じる痛みです。はじめはみぞおちのあたりが痛むこともありますが、時間の経過とともに右下に痛みが移動することが特徴です。その他、吐き気、嘔吐、食欲不振、発熱などの症状が現れることもあります。これらの症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。虫垂炎は、適切な治療を受ければ、ほとんどの場合完治する病気です。少しでも気になる症状があれば、躊躇せずに医師の診察を受けるようにしましょう。
