痴呆

記事数:(2)

認知症

認知症という理解

かつて「痴呆」という言葉は、頭の働きが衰える状態を表す一般的な言葉として使われていました。具体的には、脳の病気や年を重ねることによって、考える力、覚える力、判断する力といった知的機能が低下し、普段の生活に支障が出てしまう状態を指していました。しかし、この「痴呆」という言葉は、どこか冷たい印象を与え、その人自身の人格までも否定しているように聞こえるという指摘が、多くの人々から寄せられるようになりました。言葉によって傷つく人がいる、言葉が持つイメージが偏見を生み出すという問題点が浮き彫りになったのです。そこで、2004年に厚生労働省は、この「痴呆」という言葉を見直し、「認知症」という新しい言葉を使うことを決めました。この変更は、言葉を取り替えただけにとどまりません。認知症という状態について、社会全体が正しく理解を深め、誤った認識や偏見をなくしていくための大きな一歩となったのです。「認知症」という言葉は、「知る」という漢字が使われており、病気によって「知る能力」が低下している状態であることを的確に表しています。また、「痴呆」という言葉が持っていた否定的で冷たいイメージを払拭し、認知症の人々を温かく包み込むような、より人間的な響きを持つ言葉として受け入れられています。この言葉の変更は、認知症の人々への接し方、そして社会全体の考え方を変えるきっかけとなり、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、大きな役割を果たしていると言えるでしょう。
認知症

脳血管性認知症を知ろう

脳血管性認知症は、脳の血管の異常によって起こる認知症です。脳の血管が詰まったり、破れたりすることで、脳の一部に血液が行き渡らなくなります。すると、その部分の脳細胞は酸素や栄養を受け取ることができずに死んでしまいます。この脳細胞の死滅によって、様々な認知機能に障害が現れ、日常生活に支障をきたすようになります。脳血管性認知症の原因となる血管の異常には、大きく分けて二つの種類があります。一つは脳の血管が詰まることで起こる脳梗塞、もう一つは脳の血管が破れることで起こる脳出血です。詰まりや破れが起きる場所や範囲、そしてその程度によって、症状は大きく異なります。例えば、言語を司る部分が損傷を受ければ言葉がうまく話せなくなったり、記憶を司る部分が損傷を受ければ物事を覚えられなくなったりします。また、手足の麻痺やしびれ、歩行障害、排泄障害といった身体症状が現れることもあります。脳血管性認知症は、認知症全体のなかで、アルツハイマー型認知症に次いで患者数が多い病気です。特に高齢者に多く見られ、加齢とともに血管がもろくなることが原因の一つと考えられています。高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病も、脳血管性認知症のリスクを高める要因となります。バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙など、健康的な生活習慣を心がけることが、脳血管性認知症の予防につながります。また、早期発見・早期治療も重要です。少しでも異変を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
error: Content is protected !!