介護職 力を引き出す支援者:イネーブラー
近年、介護を必要とする方の支援の場で、『イネーブラー』という言葉をよく耳にするようになりました。耳慣れない言葉ですが、その役割は、利用者の方々が自分らしく暮らしを続けられるよう、持てる力を最大限に発揮できるよう、支えていくことです。これまでの『お世話をする』介護ではなく、『その人らしさを支える』介護へと考え方が変わってきている中で、とても大切な考え方です。イネーブラーは、利用者の方の思いや願いを丁寧に聞き取り、その方の持っている力や可能性に着目します。できないことではなく、できることに目を向け、その力を活かせるように環境を整えたり、必要な情報提供や助言を行ったりすることで、利用者の方自身の力で生活していくことを支援します。例えば、料理が好きな方であれば、安全に調理ができるように台所の環境を調整したり、買い物に行くのが困難な方であれば、一緒に買い物リストを作成したり、宅配サービスの利用を提案したりするなど、その方に合わせた具体的な支援を行います。また、イネーブラーは、利用者の方だけでなく、その周囲の人々とも連携します。家族や友人、地域の人々など、利用者の方を支える様々な人々と協力することで、より充実した生活を送れるよう支援体制を整えます。例えば、地域活動への参加を希望する利用者の方には、地域の活動団体を紹介したり、ボランティアと繋いだりするなど、社会との繋がりを築く支援も重要な役割です。イネーブラーの目指すところは、利用者の方が自分らしく生き生きと暮らせる社会の実現です。そのためには、利用者の方一人ひとりの思いに寄り添い、その人らしい生活を支えることが大切です。私たちも、このイネーブラーの考え方を理解し、共に支え合う社会を築いていく必要があるでしょう。
