医療 薬剤耐性緑膿菌感染症を知る
緑膿菌は、私たちの身の周りの、土や水、空気中など、どこにでもいるごくありふれた細菌です。健康な人が緑膿菌に感染しても、通常は特に症状が現れることはありません。しかし、病気などで体力が弱っていたり、免疫力が低下している人にとっては、深刻な感染症を引き起こす可能性があります。特に、入院中の患者さんや高齢者の方、あるいは、がんの治療中や臓器移植後などで免疫抑制剤を使用している方は、緑膿菌感染症にかかりやすく、重症化しやすい状態にありますので、より注意が必要です。緑膿菌感染症は、肺炎や尿路感染症、創傷感染症、敗血症など、様々な病気を引き起こします。緑膿菌感染症の怖いところは、多くの種類の抗菌薬に耐性を示すことです。薬が効かないということは、治療が難しくなることを意味し、場合によっては、命に関わることもあります。医療現場では、様々な抗菌薬を適切に使用することで、緑膿菌感染症の治療にあたっていますが、近年、どの薬剤も効かない多剤耐性緑膿菌の出現が大きな問題となっています。緑膿菌感染症の予防には、日ごろの手洗いやうがいを徹底することが大切です。医療機関では、医療従事者の手洗い、消毒の励行、医療機器の適切な消毒、患者さん一人ひとりに合わせた感染対策などを実施することで、感染拡大の防止に努めています。また、栄養状態を良好に保ち、十分な睡眠をとるなど、免疫力を高める生活習慣を心がけることも重要です。もし、発熱や咳、痰、膿(うみ)など、感染症を疑わせる症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。
