周辺症状

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認知症

認知症の遊離型:自信喪失への対処

認知症の初期に見られる様々な心の症状は、行動及び心理症状(BPSD)と呼ばれ、記憶や判断力の衰えといった中核症状とは別の側面で、日々の暮らしに大きな影を落とします。そのBPSDの一つに遊離型があります。遊離型とは、現実の自分から逃れ、自信や物事を行う気力を失った状態を指します。遊離型になると、物事への関心が薄れ、周りの人と話す機会も減り、家に閉じこもりがちになります。以前は活動的だった人が急に何もしなくなったり、趣味に打ち込んでいた人が急に熱意を失ったりするなど、周りの人から見ると変化がはっきりと分かり、どう接すればいいのか分からず戸惑うことも少なくありません。この遊離型は、物忘れがひどくなるにつれて現れやすい症状の一つです。そのため、適切な対応と介護が必要です。具体的には、本人の気持ちに寄り添い、安心できる環境を作ることが大切です。例えば、以前好きだった活動や趣味に再び目を向けるように優しく促したり、穏やかに話しかけたりすることで、本人の意欲や自尊心を高めるよう努めます。また、急に環境を変えると混乱を招く可能性があるため、住み慣れた環境を維持することも重要です。さらに、規則正しい生活リズムを保つことも効果的です。毎日同じ時間に起床、食事、就寝を繰り返すことで、生活にメリハリが生まれ、心身ともに安定しやすくなります。家族だけで抱え込まずに、地域包括支援センターや医療機関などの専門家に相談することも大切です。専門家の助言や支援を受けることで、より適切なケアを提供し、本人の生活の質を高めることに繋がります。
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認知症の周辺症状を知る

認知症の中核症状とは別に、周囲の環境や人間関係などの影響を受けて二次的に現れる症状を周辺症状といいます。行動・心理症状(ビーピーエスディー)とも呼ばれますが、一般的には周辺症状と呼ばれることが多いです。これらの症状は、記憶障害や判断力の低下といった中核症状が直接の原因となるのではなく、周囲の状況や本人の受け止め方、感じ方によって引き起こされます。そのため、周囲の理解と適切な対応が重要となります。具体的には、事実ではないことを信じて疑わない妄想や、実際には存在しないものが見える、聞こえるといった幻覚、意識がもうろうとするせん妄、昼夜逆転の睡眠障害、特定の人や物に過度に執着する依存、食べ物ではないものを口にする異食、目的もなく歩き回る徘徊、入浴や着替えを嫌がる不潔行動、乱暴な言葉遣いである暴言や他者への攻撃的な行動である暴力など、実に様々な症状が見られます。これらの症状は、認知症の本人にとってはもちろんのこと、介護する家族にとっても大きな負担となる場合があり、適切なケアと対応が必要不可欠です。認知症の周辺症状への対応は、症状の多様さと複雑さから、難しい場合も少なくありません。しかし、症状の背後にある原因、例えば、環境の変化に対する不安や、身体の不調、コミュニケーションの難しさなどを理解し、適切な対応をすることで、症状の軽減や改善につながる可能性があります。具体的には、本人の気持ちに寄り添った声かけや、安心できる環境づくり、生活のリズムを整えることなどが大切です。そのため、周辺症状について正しく理解し、適切なケアを提供することが、認知症の人と介護する家族の生活の質を高める上で重要です。
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