医療 介護におけるうつ状態への理解
うつ状態とは、気分が沈み、憂鬱な気持ちが長く続く状態を指します。まるで深い霧の中にいるように、何を見ても楽しさを感じられず、喜びや感動といった感情も薄れてしまいます。この状態は、単に一時的に気分が落ち込んでいるのとは大きく異なります。例えば、大切な人を亡くした悲しみや、仕事で大きな失敗をした時の落ち込みは、時間の経過とともに自然と癒えていくものです。しかし、うつ状態の場合、原因がはっきりしないまま、憂鬱な気持ちが2週間以上続くことがあります。このような長く続く憂鬱な気持ちに加えて、様々な症状が現れます。以前は好きだった趣味や活動に興味がなくなり、喜びを感じられなくなることがあります。食欲が落ちて体重が減ったり、逆に過食になることもあります。夜眠れない、あるいは逆に寝ても寝ても眠いといった睡眠障害もよく見られます。体がだるく、疲れやすいと感じる疲労感も特徴です。また、仕事や勉強に集中できなくなったり、些細なことで自分を責めてしまったり、将来に希望が持てず悲観的な考えに囚われてしまうこともあります。さらに、生きていても仕方がないという辛い気持ちが湧き上がってくることもあります。これらの症状は、脳の働きに変化が起きていることが原因と考えられています。つまり、うつ状態は心の持ちようや性格の問題ではなく、適切な治療が必要な病気なのです。怠けているとか、心が弱いといったこととは全く関係ありません。風邪をひいたら病院へ行くように、うつ状態になったら専門家に相談し、適切な治療を受けることが重要です。決して一人で抱え込まず、周りの人に助けを求めたり、医療機関に相談するなど、ためらわずに支援を求めるようにしましょう。
