介護保険 介護予防給付:変わる支援の形
予防給付とは、二〇〇五年より前に実施されていた介護保険制度において、要支援と認定された方々に向けて提供されていたサービスのことを指します。要支援と認定された方々が、介護が必要な状態になることを防ぎ、自分自身で生活していく能力を維持できるよう支援することを目的としていました。具体的には、自宅に介護職員が訪問して支援を行う訪問介護や、日帰りで施設に通い、食事や入浴、機能訓練などのサービスを受ける通所介護などが提供されていました。これらのサービスを通して、心身ともに健康を保ち、日常生活を送る能力を維持・向上させることを目指していました。しかし、この予防給付には課題も存在していました。比較的軽い要支援状態の方々に対しては、提供されるサービスの種類や内容が限定的で、十分な支援を受けられないケースが見られました。また、予防という観点から考えると、サービスの内容が必ずしも充実しているとは言えず、真に効果的な予防策となっているか疑問視する声もありました。例えば、心身機能の維持・向上を目的とした運動プログラムや、栄養指導、健康相談といったサービスは、必ずしも十分に提供されているとは言えませんでした。さらに、高齢化が急速に進む中で、より多くの方々が介護を必要とする状態になりつつありました。そのため、従来の予防給付だけでは対応しきれなくなり、より効果的な予防策を盛り込んだ新たな制度の必要性が高まってきたのです。人々が健康な状態で長く生活を送れるように、健康寿命を延ばすという目標を掲げ、制度の改革が進められていくことになりました。より多くの方々が、その状態に合わせた適切な支援を受けられるよう、予防の段階から包括的なサービスを提供する必要性が認識されるようになったのです。
