介護施設 暮らしを支えるレジデンシャルワーク
社会福祉施設は、安全で安心できる暮らしを提供する場として重要です。しかし、施設での生活が地域社会とのつながりを希薄にしてしまう可能性があることも忘れてはなりません。施設の中だけで日々が過ぎていくと、社会から取り残されたような気持ちになり、孤独感や疎外感を抱く利用者もいらっしゃいます。そこで、施設での暮らしを、それまでの自宅での暮らしに近づける工夫が大切になります。食事、入浴、トイレといった日常生活の世話はもちろんのこと、一人ひとりの趣味や好み、日々の習慣を尊重し、できる限り普段通りの生活を送れるよう支援していく必要があります。たとえば、施設に入る前に庭いじりや料理、読書などを楽しんでいた方がいれば、施設内でもそれらを続けられるように環境を整えることが重要です。また、地域住民との交流の機会を設けることも、利用者の社会とのつながりを維持する上で役立ちます。散歩に出かけたり、地域の行事へ参加したりする中で、新たな人間関係を築くきっかけが生まれるかもしれません。施設での生活の質を高めるためには、利用者の主体性を尊重することも欠かせません。これまでの人生でどのようなことを経験し、何を大切にしてきたのかを理解した上で、個々のニーズに合わせた丁寧な支援を提供していく必要があります。たとえば、毎朝決まった時間に新聞を読む習慣があった方には、その時間を確保できるように配慮する、といった小さな心遣いが大切です。施設はあくまでも生活の場で、社会とのつながりを保つための拠点であるべきです。そのためにも、利用者一人ひとりの人生を尊重し、その人らしい暮らしを支えていくことが私たちの使命です。
