医療 腎臓の働きとむくみ:ネフローゼ症候群
私たちの体は、筋肉や骨、皮膚、内臓、血液など、様々な組織から成り立っています。これらを構成する上で欠かせない栄養素がタンパク質です。タンパク質は、例えるなら体の建築材料のようなものです。食事から摂取したタンパク質は、体内でアミノ酸に分解され、血液によって全身へと運ばれます。それぞれの場所で必要に応じて再びタンパク質へと合成され、組織の構築や修復、新陳代謝などに利用されます。また、タンパク質は免疫機能を維持したり、ホルモンや酵素の原料となるなど、生命活動において大変重要な役割を担っています。腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として体外に排出する働きをしています。腎臓には糸球体と呼ばれる細かい網目状のフィルターがあり、通常は血液中のタンパク質のような大きな分子は、このフィルターを通過できません。ろ過された水分の中には、体に必要な栄養素も含まれているため、腎臓は再吸収という機能も持っています。必要な栄養素や水分は、血液中に再び戻され、老廃物だけが尿として排出されます。しかし、ネフローゼ症候群になると、この腎臓のろ過機能に異常が起きます。糸球体のフィルターに障害が生じ、本来血液中に留まるべきタンパク質が尿中に漏れ出てしまうのです。このタンパク質の喪失は、血液中のタンパク質濃度の低下を引き起こし、むくみや免疫力の低下など、様々な症状を引き起こす根本原因となります。ネフローゼ症候群は、このタンパク質の喪失をいかに防ぎ、正常な状態に戻すかが治療の重要なポイントとなります。
