その他 大切にしたい、利用者の想いを尊重した介護
介護を受けるということは、生活の様々な場面で誰かの助けが必要になるということです。食事や着替え、入浴といった毎日の暮らし、あるいは通院や買い物といった外出の場面など、人によって必要な支援の範囲や内容は様々です。しかし、たとえ多くの場面で支援が必要になったとしても、自分の意思を軽んじられて良い理由にはなりません。どのような介護を受けたいのか、どのような毎日を過ごしたいのか、それらはあくまでも介護を受けるご本人自身が決める権利を持っているのです。この権利、つまり誰かに指図されることなく、自分の生活に関わる事柄を自分の思い通りに決めることを『自己決定』といいます。介護の現場では、この自己決定という権利が何よりも大切にされなければなりません。なぜなら、その人らしさを保ちながら毎日を過ごすためには、自分で選び、決めるという行為が、その人の誇りを守り、生活の喜びや満足感を高める上でとても大切な要素となるからです。例えば、毎日のお食事について考えてみましょう。刻み食やとろみ食のほうが食べやすいと勧められても、ご本人が「出来る限り普通の食事が食べたい」と望むのであれば、その気持ちを尊重し、安全に配慮しながら出来る限りの対応をする必要があります。また、着替えについても同様です。機能性を重視した服よりも、おしゃれな服を着たいという希望があれば、着脱の介助に多少の手間がかかったとしても、ご本人の望みを叶える方法を検討するべきです。このように、小さなことから大きなことまで、ご本人が「自分で選びたい」「自分で決めたい」と思う気持ちを尊重し、実現に向けて共に考え、行動することが、その人らしい生活の実現、ひいては質の高い介護につながるのです。
