介護保険 残存機能を活かした介護
残存機能とは、病気や老化、または怪我などによって身体機能の一部が弱くなったとしても、まだ残っている能力のことを指します。これは単に「失われていない機能」という意味ではなく、日常生活の中で活用できる力、そして訓練や工夫によってさらに伸ばしていくことができる可能性を秘めた力として捉えることが重要です。例えば、足腰が弱って歩行が困難になったとしても、腕の力を使って車椅子を自分で動かしたり、手先を使って編み物や絵を描くなどの趣味を楽しんだり、あるいは家族や友人との会話を楽しんだりすることは可能です。このように、残された機能は人それぞれ異なり、その種類も多岐にわたります。身体を動かす力だけでなく、考える力、記憶する力、感じる力、コミュニケーションを取る力など、様々な能力が残されている可能性があります。これらの残された能力を最大限に活かすことで、その人の生活の質を高め、自立した生活を送ることを支援できるのです。具体的には、残存機能を活かしたリハビリテーションや、日常生活動作の訓練、趣味活動の支援などを通して、その人ができることを増やし、生活の満足度を高めることを目指します。また、残存機能を把握することは、介護者にとっても適切なケアを提供するために非常に重要です。その人のできること、できないことを正しく理解することで、過剰な介助を避け、その人の自立を支援することができます。私たちは、残存機能を「欠損」ではなく「資源」と捉え、その人に残された可能性を最大限に引き出すことを目指します。そのためにも、常にその人の状態を丁寧に観察し、個々のニーズに合わせた支援を提供していくことが大切です。
