認知症 不穏とその対応について
「不穏」とは、気持ちが落ち着かず、そわそわしたり、不安な様子を表す言葉です。高齢者の方、特に認知症の方によく見られる症状で、介護するご家族や周りの方々も対応に困ることが少なくありません。具体的には、落ち着きなく椅子に座っていられなかったり、目的もなく歩き回ったり、同じ言葉を何度も繰り返したり、大きな声を出したりといった行動が見られます。このような行動の背景には、様々な理由が考えられます。環境の変化は大きな要因の一つです。例えば、長年暮らした自宅から施設に入居した場合や、入院によって病室という慣れない環境に置かれた場合など、急な変化は大きなストレスとなり、不穏な状態を引き起こすことがあります。また、病気による体の不調も原因となります。痛みや発熱、便秘など、体のどこかに不快感があると、それが不安やいら立ちにつながり、不穏な行動として現れることがあります。認知機能の低下も不穏の原因となります。認知症が進行すると、周りの状況が理解しづらくなったり、記憶が曖昧になったりします。何が起こっているのか分からず、不安や恐怖を感じ、不穏な状態に陥ることがあります。さらに、生活リズムの乱れも不穏を招きやすい要因です。特に、昼夜逆転が起こると、体内時計が狂い、心身のバランスが崩れ、不穏な行動が増えることがあります。不穏な行動は、周りの人から見ると、意味のない行動に思えるかもしれません。しかし、ご本人にとっては、何かしらの理由があっての行動です。その理由を理解しようと努め、安心感を与えられるように接することが重要です。落ち着けるような声かけをしたり、優しく手を握ったり、好きな音楽を流したりするなど、個々の状況に合わせた対応を心掛けましょう。そして、どうしても対応が難しい場合は、専門家である医師やケアマネージャーに相談することも大切です。
